階段を駆け下りてドアを開けると、門ごしに玉置が紙袋を差し出した。
「何?これ」
「最新の携帯小説。よく分かんねぇから適当に買ってきた」
「あ、ありがとう。嬉しいな。時間持て余しちゃって──」
「だろぉぉ!だと思ったんだよな。俺ってさりげなく気がきくからよぉ」
ガサゴソと袋を開ける良子。
(……げ)
『新感覚ミステリー』と本の帯にある。
(玉置君、携帯小説と言ったら恋愛だろ!)
全然さりげなくないし、玉置が気がきくとも思わないが……
でも多少は落ち込んでいた良子にとって謹慎初日に玉置が自分の学校謹慎を終えて、その足で訪ねて来てくれた事が嬉しかった。
「なぁ、なんでこんなに気がきく俺が渋木君に負けたのか……。俺ずっとそれをヨッちゃんとの勉強会がなくなってから考えてたんだけど。今日の学校謹慎中にやっと答えを見つけたんだ」
(……何で急にこんな話?)
「何?これ」
「最新の携帯小説。よく分かんねぇから適当に買ってきた」
「あ、ありがとう。嬉しいな。時間持て余しちゃって──」
「だろぉぉ!だと思ったんだよな。俺ってさりげなく気がきくからよぉ」
ガサゴソと袋を開ける良子。
(……げ)
『新感覚ミステリー』と本の帯にある。
(玉置君、携帯小説と言ったら恋愛だろ!)
全然さりげなくないし、玉置が気がきくとも思わないが……
でも多少は落ち込んでいた良子にとって謹慎初日に玉置が自分の学校謹慎を終えて、その足で訪ねて来てくれた事が嬉しかった。
「なぁ、なんでこんなに気がきく俺が渋木君に負けたのか……。俺ずっとそれをヨッちゃんとの勉強会がなくなってから考えてたんだけど。今日の学校謹慎中にやっと答えを見つけたんだ」
(……何で急にこんな話?)