とたんに良子の心がフワっと軽くなる。

空気が暖まって膨らむように…。

「なぁ、降りて来いよ。これ、渡したいから。あぁ、首が痛ぇ」

玉置が首の後ろを擦りながら、紙袋を掲げている。

「あ、うん。じゃ、ちょっと待ってて。すぐ行く」

良子は網戸を閉めると握っていた携帯に目を落とす。

《今度は私がアイス奢るよ》

良子は短いメールの本文を確認して最後のボタンを押した。

(送信ッ……と)