「玉置、いい友達持ってんじゃねーか」

谷口の声がやけに良子の心に響く。

「だろぉぉ!?ヨッじゃんばッ……ざいごーどダチだぁ。うぅ……」

(それにしても、泣き過ぎだろ、玉置君。つられたらどうすんだよぅ!)

良子は胸に込み上げてくる熱いモノを必死で抑えようと天井を見上げた。

『ちょっと……泣いてる?大丈夫?』

明美が耳元で囁く。

『な、泣いてなんてないぼん。……目に、ごみが入っただけだも。グスゥ……』

『……なに?その小学生レベルの意地』

明美がやや冷めた視線を良子に注ぐ。

(デ、デジャヴ……?)

天井から視線を下げると霞んだ視界がパッと開けて

そして見えたのは明美と玉置の笑顔だった。

(と、とりあえず、玉置君……鼻水拭いて?)