(本当にズッコケヤンキーだよぅ。優しい泣き虫ヤンキーだよぅ……)

「ズビビビ……」

今度は良子が鼻をすすった。

「玉置君……。玉置君だって将来のあるヤンキーだよ。……おんなじじゃん」

そう、あんな奴らに『社会の底辺』なんて呼ばせない。

『肉体労働者』なんてバカにさせない。

(ああ、やっぱりシンネの脳ミソにブレーンバスターをかけよう……)

良子がそう改めて決意していると、玉置が雄叫びを上げた。

「ヨッじゃーん!あ、ありが……どー。うぐぅぅぅ……」

もう泣いてないなんて言えないぐらいに玉置の顔は涙でボロボロで。

(も、もらい泣きするじゃないか!)

すでに鼻がズビズビしている良子は慌てて視線を逸らした。