「しかし、玉置。してない罪まで被るほどお前、余裕なんてないだろうが……。ちょっとは自覚しろよぉ?」

「……けどよぉ、ヨッちゃんは将来のある若者だぜ?俺の将来なんて比べモンになんねぇんだから……。ズビッ──」

(『将来のある若者』って……。どんだけ爺さんなんだよ、玉置キュン)

「どうせ俺は大学行くわけじゃねぇし。けど……まさか退学になるとは。俺も、さすがにビビった」

「って、玉置君!?」

びっくりして声をあげてしまう良子。

良子でさえ退学を想像出来たというのに。

(まったく……)

良子は軽く目眩を覚えた。

「まったく、もう」

(ああ、本当に良かった。ここまで来れて良かった)

「退学になんなくて……良かったよぅ!!」

良子は心の底から叫んだ。