公園を抜けた先に淡いクリーム色の校舎が見える。

(あれだ、きっと)

良子は深呼吸をした。

「横田さん、こんな事に巻き込んで本当にごめんね。でも……これは私のフリーダム・ライドだから──」

そうだ。

これが良子なりのフリーダム・ライド。

命を懸けたあの人達と同じだなんて思っちゃいない。

だけど守りたいものがある。

ヤンキーだとか真面目だとか

不良だとかメガネだとか

(そんな私達の間にある人種なんてぶっ飛ばしちゃって──)

「ヤンキーだって超不良だって、玉置君は友達だから」

今、ハッキリと分かる。

『ダチ』だから、精一杯守りたいのだ。

(これがちっぽけな私の今できる初めの第一歩)

「あの……さ──」

ふいに明美の声が耳に届いた。