階段を駆け下りる良子の目の前を始業式を終えた生徒達がザワザワと教室に戻っていく。
(あ、ラッキーじゃん!)
痛む腰に左手を当てながら自分の教室のドアを通過すると、良子は目的の人物を発見した。
ギュっと掴んだその細い腕。
「なッ、何?」
怯えるように良子を見たのは横田明美だ。
あのプールで最初に声をかけてきた明美。
可能性があるとしたら、彼女しかない。
良子は慣れない全力疾走のお陰で荒くなってしまった息を整えながら、祈るような気持ちを込めて明美を見た。
「……玉置君が、退学に、なっちゃう」
明美は一瞬大きく目を見開き、そして視線を床に落とした。
「私に関係ないじゃん」
「……関係あるでしょ?嘘、ついてるでしょ?」
「ついてないよ。そんな証拠ないでしょ!?」
(あ、ラッキーじゃん!)
痛む腰に左手を当てながら自分の教室のドアを通過すると、良子は目的の人物を発見した。
ギュっと掴んだその細い腕。
「なッ、何?」
怯えるように良子を見たのは横田明美だ。
あのプールで最初に声をかけてきた明美。
可能性があるとしたら、彼女しかない。
良子は慣れない全力疾走のお陰で荒くなってしまった息を整えながら、祈るような気持ちを込めて明美を見た。
「……玉置君が、退学に、なっちゃう」
明美は一瞬大きく目を見開き、そして視線を床に落とした。
「私に関係ないじゃん」
「……関係あるでしょ?嘘、ついてるでしょ?」
「ついてないよ。そんな証拠ないでしょ!?」