「……相澤が一緒にいた男子はどこの誰だ?」

(誤魔化す!!)

なんだか危険そうな香りがプンプンして、心の赤信号が点滅しているから

(どうにか誤魔化す!どうにかもみ消す!!)

良子は決意を新たに脳ミソをフル回転させる。

「…………通りすがりの」

「仮面ライダーじゃねぇよ。悪いが息子がディケイドは見てるもんで」

古田が一瞬父親の顔を覗かせて口元を緩ませた。

(よしッ。次ッ!)

「じゃぁ──」

「西高の玉置鉄平で間違いないな?」

(は、早過ぎだろ。このせっかち体育教師めッ!)