そして『隠れガリベリ子はナルセが好き』と誰かが壁に落書きして……ナルセは異様に良子を嫌うようになった。

こうして中等部を終え、良子は高等部へ進級する。

高等部になれば外部からの受験組も入り生徒数は増えて、ターゲットは次第に変わっていった。

大半の生徒は自分のした事さえも忘れてしまったように見えた。

ナルセの様な特例もあるが。

そしてたまには話しかけられるようにも。

けれど今度は良子はそれを全部拒否した。

すべては『じゃ、なにかあったら』で済ませてきた。

好意的な子にも『なんかあったら』と厚い壁を見せ付ける。

こうして良子は厚い壁に囲まれて、携帯小説と妄想の中で生きてきた。

人との付き合いは最低限に控えてきた。