(ひ……ひぃぃぃ~!忘れてたッ!)

良子が恐る恐る携帯を開くと《で、いつが暇なんだ?》

一言一句違わない。

恐さ倍増。

ジャイアン度も倍増。

どうやら氷水にドッボンは良子なようだ。

(ヤバいぞ。これはヤバいぞ。急がなきゃ殺されるッ!)

良子は本棚に飛びつくと、そこから携帯小説を出してパラパラとめくる。

何か可愛くて、上手く断れるフレーズとか……参考になるキャラがないかを必死で探した。



そして二時間後──

良子は《また連絡します》とだけ書いて送った。