胸一杯のジンジンを抱えて、良子は決心する。

(言わなきゃ、リエちゃんの事)

「……玉置君、あのさぁ、リエちゃん──」

「あ、そうだな。リエちゃんにメールしなきゃな!」

勘違いした玉置は嬉しそうに携帯をポケットから出して眺める。

「あ、あのッ!ちょっと、その前に聞いて!」

「……な、なんだ?なんだよ、急に真顔で」

「うん。……あの、すごく、何だか、うーんと……。……あ、あのぅ──」

「うぉぉぉ!早く言っちまえッ!!気持ち悪ィだろうがァ!!」

(ギャ~!怖いッ!)

イライラした玉置が大声を上げ、良子は目を瞑って一気に叫んだ。

「は、はいッ!リエちゃんは渋木君が好きなんですぅぅぅぅ~!ご、ごめんなさぁぁぁい」

(だ……だいじょぶ?玉置君、生きてる……よね?)

怖くて目が開けられない。