(何だよぅ?今さら文句かよぅ!!)

良子の心の中の警報機がスタンバイを始める。

「あれは格好いかったんじゃね?ってかダチとして言わしてもらうと──」

玉置は親指を立て、ニッと歯を見せて。

「ありゃ、イカすだろ!!」

「た、玉置君……」

玉置はウィンクのつもりなのだろうが、瞑るハズの右目がうっすらと開いていて、白目が見えて

それはそれは物凄い形相だ。

(あれ?)

良く見れば、左目も微妙に開ききっていない。

(っていうか両方とも白目むいてんじゃ?)

まるでホラー映画である。

いいトコ、バカ殿である。

でも、良子は突っ込めなかった。

胸がジンジンして。

(『ダチとして』──)