(な、なんでテンション上がり途中で睨むんだよぅ?)

「ちょ、ちょっと──」

恐いよ……と良子が言う前に今度は玉置はニカッと笑った。

それは本当に嬉しそうな、子どもがサンタクロースにでも出逢った時の様な表情で、良子は息を飲んだ。

そして玉置は立ち上がると、両手を振り上げた。

「ウッキョー!!デデーン!!あー長い道のりだった!頑張って良かったぁ~!生きて良かったぁぁぁ!!生きててぇ──」

「ウルサーイ、バカムスコォォ!!」

「──良かったぁぁぁ!!」

「ダマラッシャーイ!!」

多国籍なお客さん達がクスクスと笑い、そのうちそれはゲラゲラに変わっていく。

それはバカバカしくて、でもとても温かくて……

セピア色の世界は優しかった。