「……でも渋木君って、ヤンキーなんだよね?いいの?ヤンキーで」

良子の気持ちなんてまるで無視して後ろの恋バナは進行していく。

「え?うん。いいの。運命なの」

(運命……?)

まるで携帯小説だ。

会話そのままパクらせて貰いたいぐらいである。

しだいに良子の全神経は後ろに集中していく。

「だって、からまれてるトコを『何やってんだよ?』って助けてくれたんだよ?もうヤンキーとか関係ないぐらい格好いいよ」

「そうだけどさぁ」

(うおぉぉぉぉ!!)

本当にそんな事が?

カツアゲではなく?

人生にそんな素敵な出会いがあったのなら。

(そりゃあなた運命だよぅ!)

こうなればヤンキーなんて関係ない。

それはもう高校卒業したら迷わず結婚だ。

(ううッ!これが胸キュンキュンだッ!妻夫木ィィ~!)

良子の妄想が暴走する。