玉置の姿が見えなくなると、良子はさっきまでの問題集選びの作業を再開する事にした。

結局、現国の問題集を二冊追加する事にして作業は終了。

そしてまだ玉置が帰って来ないので、家から持って来た自分の世界史のレポートの宿題を広げた。

フリーダム・ライドの資料を並べて、下書きしたノートに赤ペンで文章を追加していく。

良子と変わらない年頃の学生が命を懸けて求めたモノ。

人として当たり前の権利。

コトン……。

その音で顔を上げるとテレさんがいつもの玉置の席に座るところだった。

テレさんはニッと笑うとコーヒーをテーブルの上に置く。

そして広げた資料から写真を見つけて呟いた。