しかし時すでに遅し。

「……あ゛?」

と玉置の眉間にシワが寄った。

(ひィィッ!)

言い過ぎだ。

本音を素直に言葉にし過ぎた。

完全に失言の嵐だ。

「ご、ごごごごめんなさいぃぃ!言い過ぎましたぁ!!」

良子が叫んだ直後にカウンターからテレさんが顔を出した。

「フンッ!ジジツイワレテ、オコルナヨー!バカムスコ、ソロソロ、ホイクエンイッテコイヨー」

(ああ、神様!テレ様!)

本当にテレさんに後光がさして見える。

そんなテレさんがカウンターからピンクのビニールバッグを差し出すと、玉置が急にガタガタと椅子から立ち上がった。

「おう!もうそんな時間か。じゃ、ちょっくら行ってくるぜッ!!」

玉置はテレさんからバッグを受け取ると良子を振り返る。

(もうこの際何でもいい!!)

あの親子の会話の意味は分からないが、今は玉置がこの場から離れてくれるだけで十分である。