「……じゃ、だ、だだだ──」

「だだだだだ?」

『だ』が一つ増えいるのが妙に気になるが、今回はそれは明々後日の方向にぶっ飛ばすとことにして。

「大学受験って……」

(いつするの?)

恐る恐る訊ねる良子に玉置はニッと笑うと

「あと一年半もあるんだぜ?ある意味ラッキー?」

とバンザイした両手の先にピースサインを作った。

「…………」

それは『ラッキー』ではない。

どんな意味でも、それは『ラッキー』とは言わないはずである。

(……プラス思考過ぎだよ、玉置君)

良子はもう一方の手も頭に当てると、本当に頭を抱えた。