美的感覚がまるで違うけれど、

その趣向を理解は出来ないけど、

玉置にとってはきっとこれが好きでこれが普通なわけで。

(……ふーん。へぇぇ……)

それは新しい発見だった。

良子は今までそんな事を考えた事がなかったから。

玉置が何を着ていようと、どんな髪をしていようと、嫌だとは感じる事はあっても関心なんて持った事はなかったから。

(これも玉置君の一部か……)

良子は店のドアを開ける玉置をもう一度じーっと見つめた。