メール着信を知らせる青いランプが点滅している。

重い体をゴロンと転がして、ベッドから手を伸ばして携帯を開く。

そして……

メールを開いた良子の視界が涙で霞む。

画面には無題のメール。

《元気だせ。また明日な》

それだけ。

良子は胸の上で携帯を握りしめると、再び目を閉じた。


夜になって父が『ケガはないのかッ!?』と部屋に飛び込んで来るまで、良子はぐっすりと寝た。

階下から『お父さん、良子はケガさせたほうだって~!!ちゃんと最後まで話聞いてってばッ!』と母の大きな声が聞こえる。

(……お母さん、声でかすぎ)

これでは隣まで聞こえてしまう。

プッと噴き出すと、良子は携帯を握りしめて父に精一杯の笑顔を見せた。