よろめくシンネをさらにパイプ椅子でドンと押し倒し、『ヒィッ~!』と逃げようとするナルセの背中にその椅子を投げつけた。

そして新たなパイプ椅子に手をかけた良子。

その時、『何やってるんだ!』とプール監視員の声がコンクリートの建物の中に響いた。

「あ、ヤバいよ!逃げよ!」

「や、やべぇ!!行くぞ、ナルセッ!」

と葉月やシンネ達はバタバタと走り去って行く。

良子はパイプ椅子を片手に呆然と立ち尽くしていた。