(いちいち……パンツパンツうるさいんだよッ!)

そう突っ込みながらも良子はシャツの裾をグッと両手で押さえ直す。

妙に響くわざとらしい彼らの笑い声を遮ったのは玉置だった。

「……どちら様?」

「あ?俺はシンネンだ」

「え?……シ……ネン?ん?……『俺は死ねん』?」

「『シネン』じゃねぇよ!!シ、ン、ネ、ン~!」

「フッ。めでたい名前。で……シネン君、大の男があんま女の子を苛めちゃいかんのよ?……そういうの、何て言うか知ってるか?」

玉置はニッと口角を上げる。

「ヒキョー者って言うんだよ?めでたい君」

「あ!?てめぇ、メガネオタクがいきがってんじゃねぇぞ!?オラァ!」

ドンッ!

いきなり怒鳴りながらナルセが玉置の肩を押し、一歩下がった玉置が拳をポキッと鳴らした。

「フン。……手ぇ、出したな?言っておくが、先に出したのはそっちだぞ。……ん?お前誰?……まぁ、いいか。ってか、これだけは言わせろ!俺のダチは鉄パンツじゃねぇんだよッ!!布のパンツじゃい!」