けれども次の

「……私、葉月ちゃん達と来てるんだ」

そのセリフで良子は急に頭から冷水を掛けられた気分になった。

急に現実に戻された感じがして。

そして綺麗なのに可愛らしい表情を作る女生徒の顔がはっきりと良子の脳裏に浮かんだ。


彼女の名前は──

小林葉月(コバヤシハヅキ)。

良子のクラスでもリーダー的な存在の葉月。

リーダーといってもヤンキーだったり不良だったりするわけではなく、葉月は超優等生なのだ。

クラス委員を務め、明るく先生受けも良い。

でもあの日の葉月はそうじゃなかった……。

本当の葉月はそうじゃない。