本日の一句。

『意地っ張り あそこまでいけば 国宝級』

ビーちゃんを子ども用の浅いプールに入れながら、良子は日射しの強さに顔をしかめた。

でも暑いのに爽快だ。

いつものアスファルトの道を歩くようなまとわり付く暑さとは違って、ここも同じ様な暑さのはずなのに、ソーダ水でいつものダルさを割ったようなそんな爽快感がある。

こんな感覚は久しぶりだ。

視線を上げると、青々とした空に浮かんだ漫画みたいに出来すぎな入道雲、それをバックにウネウネとトグロを巻く水色の大きなチューブ。

蛇みたいなチューブは最後のカーブからは上部がなくなり、ただの滑り台に変身する。

そしてそのチューブから現れたカラフルな水着達は次々に『きゃー』とか『わぁー』とか言いながらプールに放り込まれていく。

その景色はあまりにも爽やかで、思わず眩しさに目を細めてしまう。