「………奏斗が…

奏斗が…私の事…嫌い…なの…は…よく分かったよ。」



今まで口を開かなかった渚が口を開いた。



「でも…だったら…!!!


なんで…今までキス…してきたの…?」


そんなの好きだからに決まってる。


「何で抱き締めたの?
…何で優しくしたの?
……何でっ……!!


『私をあなたの虜にした』の!!!」


は?
どういうことだよ…
虜って…


「嫌いなら…初めから…そう、言って、よっ!!!

嫌ぃ…なら…っ、最初…っから優しくしないでよ…!!

嫌ぃ…なら…もっと…もっと強く突き放してよっ!!!」



渚は泣きながらも一生懸命俺に伝える。
その姿があまりにも愛し過ぎて、何度も抱き締めかけた。


「今…っさら…『大嫌い』とか言われっ…てもっ、遅ぃ…よっ…」


頼むから…
もうそれ以上言わないでくれ…

勘違いしそうになるから…

そんな事言われたら…

『お前は俺を好き』って勘違いするから…