聞くのが怖かった。
今はいない陽の声を感じるのに異様に恐怖を感じた。
「鈴亜…?」
後ろからしーちゃんと和史が話し掛けてきた。
「陽がね…留守電残してんの…話せばいいのに…」
「聞いてあげないの?」
「聞きたいんだけど、聞くのが怖い…んだ。笑っちゃうよね。早く現実との区別を付けなきゃいけないのに…地球のどこかできっと、生きてるって思っちゃう。」
「……お前が聞いてやらないでどうすんだよ。陽からの最後のメッセージなんだろ。きっと…絶対聞いてほしいと思うから。」
「私もそう思うよ。」
2人にそう言われたけど、結局聞けなかった。