《それ、消えるまでには帰ってくる
絶対待ってろ》




そんな言葉を最後に残していったのに

首筋の腫れ上がったような紅はもう消えた


なのに私は
律儀に帰ってくるのを2年も待っている



前に付けられていた契約の証はいつまで立っても消えなかったから
今回もそうかもと思っていたので

痕が消えたときは気が動転しそうになった



…まあよく考えれば

あれは『契約の証』としての役目しか果たしてなかったんだから
消えてくれてよかったと今になっては思う



ゆっちゃんがいなくなる前に
処罰について聞こうとしたけれど

…やっぱり本人から詳しく聞きたかったからやめといた



一昨年は咲いていなかった桜も
今年は全国的に早いみたいでもう満開に近かった