『お前みたいな女、初めてだ…』

切なく掠れた声が頭上から聞こえる。


『あのー………お二人さん?
盛り上がってるとこ悪いんだけど………
ここどこだかわかってる?』


申し訳なさ気な梅ちゃんの声に

我に返ったアタシは
目の前にある胸を有りったけの力で押し返した。


「なにしてんのよ、セクハラ男っ!」


押された反動でソファーに沈んだアイツに
店内に響き渡るほどの大声をあげて叫んだアタシは
そのまま荷物を掴んで店外へダッシュした。