『俺はややこしいことなんて一つもないし、
俺が言ったことになんの落ち度もナイと思うけど?』


厭味ったらしく、右の口端だけをあげた笑みをアタシに向けるコイツ……


……………カッコイイ…



迂闊にもそう思った自分を、大バカ者だと確信した。



自分の馬鹿さ加減に嫌気がさす。
“カッコイイ”なんて思った自分を認めたくなくて、

アタシはさらにコイツに、米倉陽斗に食ってかかた。