「いやーっ、ストロー噛まないでよっ!」

声をあげたアタシに
『いやいやいや、そこ?そこに突っ込む!?』
テンポよくツッコミをくれたのは梅ちゃんで、

『…ね?』
って、首を傾げて同意したのはあっちゃんと、

そして…コイツ、米倉陽斗だった。



『ねぇ〜陽斗〜、早く行こ〜よぉ〜』

くねくねとした猫撫で声女がプンプンと鼻につく香水の匂いを撒き散らしながら
ヤツの腕に絡み付いてきた。





臭っ

一気に食欲は失せ、
テンションだってダダ下がり。



『悪りぃ、今日、用事できた、またなっ』

ヤツは……米倉陽斗はスッと腕を抜き取り、
その女を、回れ右させ、背中を押した。

『ケン、悪りっ、俺パスなっ』

それだけ言うと、ストンっとアタシの横に腰を下ろしてきた。