『ちょ、ちょっと、ユズ大丈夫っ?!』

ドタドタと階段を下りてくる足音に視線を向けると

やっぱりテンション高めな梅ちゃんの姿があった。


「ユズ?大丈夫?怪我は?
ってか何やってんのよ!?しっかりしなさいよっ!」


パチパチとアタシの頬を平手打ちする梅ちゃんのおかげで
アタシはようやく平常心を取り戻せたんだと思う。



……あれ、アタシ何してたんだっけ?



パチクリと目を瞬く(しばたく)アタシの頭をパコッと大きな手が叩く(はたく)。



『大丈夫か?
ちゃんと前見て歩けよ?
次はねぇーぞ、覚えとけ、ベージュちゃん?』




ニカッと白い歯を覗かせる口元。



………ベージュちゃん?





………ベージュ……




っべ、ベージュ!?!?