脇目もふらず、一目散。

ただ前を見て走るのみ!





−−−−…だから、見えてなかったし
−−−−…聞こえてなかった…んだよ?



これ、ホント。








階段を一段とばしに駆け上がってたアタシは
階段の踊り場から出てきた人影に気付けなかった。



『…………っぶねー』



その言葉と共に
自分の身体が弾き飛ばされて
駆け上がったばかりの階段を意図も簡単に転げ落ち………


…………そんな場景が、ゆっくりとアタシの視界を流れていく。