絵本の世界の住人と、深い繋がりを持つという彼女。
だから、か。
やはりソラにも、リオやレオにもその声は本当に聞こえないらしく、一様に不思議そうな顔をしている。
それでも前へ進むうららとそれに続くアオの耳にだけ、その不気味な声は途切れながらも絶えず届き続けた。
その言葉は次第にはっきりと鮮明なものになっていった。
『だれか、たすけてくれ』
進むほどに近づくそれにうららは明らかに身体を震わせていたが、決して引き返すことも道を変えることもしなかった。
やがて目の前に丸太で組み立てられた一軒の小さな小屋が現れた頃。
その声の正体が、目の前に現れた。