数時間後、やっと目を覚ましたうららと眠気眼のリオをたたき起こし、太陽が真上に昇る頃、ようやくアオたちは動き出した。

一番最後に家を出たうららが、壊れかけたドアの前で何かやっていたようだったけれど、誰ひとりそれを追求することなかった。

必要最低限の荷物を持って、再びうららを先頭に旅路の上に立つ。


「──で、行き先は?」


アオの声に振り返ることなくうららは、ゆっくりと行き先を指差した。


「……道は…あの森に、続いています」


躊躇がちにうららが指差したのは、あの不気味な声が聞こえてきた森の方角。


「はー、これはまた、大変そうな道だねぇ」


リオが呑気に言った隣りでレオが表情を固くしたのを視界の端で見ながら。


「では、行こうか」


せせらぐ小川を渡り、鬱蒼と茂る森へと足を踏み入れた。