「…望まなくてもいいことと、望んでもいいものは…案外おなじなのかもしれないね」


うららの隣りでリオが、小さく呟いた。

淡い光がひいたあと、かかしの姿はもう目の前にはなく。
うららの目からも、リオの目からも消えていた。

戸惑うららに、リオは微笑む。


「一緒に行くから。ここに居るから、大丈夫」


どこか嬉しそうに言いながら、胸にそっと手をあてリオが穏やかに笑う。

その言葉の意味を、消えたかかしを、夜空に流れる星を…うらら胸に、そっとしまう。
きっと大事なことだと思ったから。