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瞬く星は綺麗すぎて、作り物みたいに思えた。
なんだかそれが、うららには哀しかった。
「…うらら、中に入らないの…?」
とうもろこし畑の柵に腰かけながら、すっかり暗くなった夜空を見上げていたうららの傍に、そっと歩み寄って来たのは心配そうな顔をしたソラだった。
「……入りたく、なくて…」
俯きながらぽつりと零したうららの隣りに、ソラが同じように腰掛ける。
それだけで少しだけ、波立っていたうららの心が落ち着いた気がした。
藁のかかしが教えてくれた通り、とうもろこし畑の奥には半分潰れた家があった。
中はレンガや食器や木屑が散乱していたけれど、かろうじて壁や屋根は原型を留めていたし、テーブルやイスなど、使えそうなものも多く転がっていた。
二階はほぼ潰れていたけれど、支柱は無事だったおかげでキッチンやリビングのある1階は思ったよりも使えそうだった。
屋内という身を隠す場所に、野宿を免れたことに、みんな安堵していた。
だけどうららはその家に、入りたくなかった。
かかしは頑なにあの家は、うららの家だと言い張ったのだ。
『ドロシーの家は、竜巻と一緒にここに落ちて来たんだよ』
藁と布でできたかかしが声だけでうららに話しかける。
『君が帰ってくるのを、ずっと待っていたんだ』
──ちがう。わたしの家は、ここじゃない。そう言いたいのに。
だけど〝家〟の記憶を失くしていたうららは、それを完全に否定することができなかった。
だからと言って肯定することもできず、途方も無い不安に駆られたままただ星空を見上げるしかできなかったのだ。