「うらら、みつあみ片方編んであげる」


顔を洗ったところでソラが洗面所に顔を覗かせ、鏡越しにいつもの笑顔で笑ってくれた。


「うん、嬉しい、助かる…っ」


クセが強くて量が多くて毎朝苦戦する髪。
ソラが綺麗に半分ずつ両サイドに分けて、片方を手にとって器用に編んでいく。
うららも自分で反対の髪の束を更にみっつに分けて、順序よく重ねた。


「ソラ、器用ね」

「そうかな、こういうのはリオ先輩の方が得意そうだよね」


「手芸部だもんね、お裁縫も得意だったし。わたし不器用だから、いっつも時間かかって。うらやましい」


不満そうに漏らしたうららに、ソラが少しくすぐったそうに笑って。
みつあみの先に、青いリボンを綺麗に結んでくれた。

朝起きたらみんなが居て、賑やかな声が響いていて、隣りでソラが笑っている。
いつもと同じなのに、どこか違う。

なんだか幸せな朝だった。