翌朝、レオの怒鳴り声で、うららとリオは飛び起きた。

うららは一瞬なぜ隣りにリオが居るのか理解できず、繋いだままの手に昨夜のことを思い出す。


――あのまま、寝ちゃったんだ。


ぼんやりそう思う間も無く頭上に影が伸び、眠気眼で顔を上げると、眉間に深く皺を刻んだレオが目の前に居た。


「一番の非常識はリオだけど、お前も一緒に寝てんじゃねーよ!!」

「ご、ごめんなさい…!」


「ちょっとレオ怒鳴んないでよ朝っぱらからー」

「お前はちっとは反省しろマジで!!」


言い訳だけど、一緒に寝てしまうつもりは無かった。
リオが眠ってしまった後、うららがリオのベッドに移ろうとしたのだけど、かたく繋がれた手を離せなくて。

そうこうしている内に、自分まで眠ってしまったのだ。


朝その光景を見て意外にも一番に叱ったのはレオだった。
その向こうでアオは俯き加減に向かいのベッドに腰を下ろし、ソラはうららの傍に腰掛けて、だけどいつものようには笑っていなかった。
うららにとって正直それが一番こわかった。


「まぁリオはでっかいコドモみたいなものだし、もういいだろう。そろそろ朝食が運ばれてくる時間だし、その後はオズとの面会だ。支度する時間がなくなるぞ」


ため息混じりに言われたアオの言葉に、うらら慌ててベッドを下りて洗面所へ向かう。

リオは呑気に欠伸ひとつこぼしてまたベッドに転がりレオの怒鳴り声が再び室内に響き渡った。