入室を促されるままに、5人は門の中へと足を踏み入れる。

扉のすぐ向こうは天井の高いアーチ上の部屋があり、壁も天井もカーテンも何もかも緑色に染まっている。
先ほどの声は、その部屋の中央から聞こえた。

視線をやるとそこにいたのは、大きな箱の上に腰掛けたまだ幼さが残る少年。
外見は幼稚園生かそれくらいで、だけど顔にはにこにこと笑みを浮かべている。

兵隊のような制服に、大きな帽子やブーツまで、やはりすべて緑色。
じっ、とその瞳にうらら達を見据え、それからにこりと微笑んだ。


「ボクは門と鍵の番人。嬉しいな、客人なんてどれくらいぶりだろう」


すとん、と腰掛けていた箱から軽快に飛び下り「どうぞ奥へ」と、流れるような身のこなしでうらら達を緑の室内へと手招く。

その後ろで再び重い音をひきずりながら、門がゆっくりと閉じた。