◆ ◇ ◆
『──レオ…目をさまして、レオ…』
──声が…きこえる。
『レオはボクの声を聞いてくれた。だからあと少しだけ、耳を澄ませて…──信じて』
いつの間にか随分聞き慣れたライオンの声。
だけど初めて会った時よりもその声音は変わっていた。
お前はもうきっと、臆病じゃない。
弱虫なんかじゃない。
オレなんかより、ずっと───
『レオ、正しい選択がなんだったのかなんて、ダレにもわからない…だけど、レオ。これから選ぶ選択を、導くのは君だけ。君だけなんだよ』
――…これから…?
これから先のことなんて、考えたこともなかった。
もう自分には選ぶ権利なんて無いと、ずっとそう思ってきた。
『じゃあもう一度だけ…ボクを、信じて。レオの心を、ボクに預けて。レオがまた立ち上がれるように、ほんの少しでも前に進めるように…レオだけの大切な願いごとを、見つけ出せるように。
今度はボクが君の、助けになる』