オレがいたずらにキレて暴れることは少しずつ減り、ゆいは毎日少しずつ大きくなり、ずっとその様子を傍で見守ってきた。
オレの呼ぶ声におはようとゆいが笑い、1日が始まる朝。
ありふれたそれだけで満たされる何かがあった。
だけどそれは長くは続かなかった。
『……もう、いいの…』
オレが14で、ゆいが6さいの時。
突然、母親がオレにそう言った。
相変わらずケンカっぱやい性格はそのままだったけれど、だけどゆいの存在が少なからずの歯止めになっていた。
その時のオレにとってゆいと迎える朝が、日常が…大切だった。
オレを変えたのはゆいの存在だった。
そんなある日両親から話があるからと呼ばれ、唐突に言われた言葉がソレだった。
何を言っているのか、何がもういいのかわからない。
なんで母親が泣いてるのか、父親が辛そうなのか。
オレには全く理解できなかった。