「とりあえずアレを、なんとかしないとだな」


アオが向けた視線の先には、心底つまらなそうな顔をした東の魔女の姿。
不機嫌そうにこちらを見下ろし、その冷めた視線でうらら達を一瞥した。


「…ナルホド、アナタ達も外からの客人だったのね。ずいぶんこの世界に馴染んでると思ったら、アナタ達の中に住人が居るみたいね? 外の人間の中に願いを見つけるなんて、呆れた住人達。だけど願いが繋いだのね。なかなかキレイに同調してるじゃない」

「…願いが、繋ぐ…?」


「聞いたでしょう? ここはヘレンが作った、願いを叶える絵本の世界。この世界では強い願いを持つ者ほど、強い力を持つことができる。──アタシは、まだ足りない。もっともっと、力が欲しいの」


そう笑う東の魔女は何を思っているのか…その果てに何を願っているのか。

東の魔女は至極楽しそうに笑う。
そして再びその瞳にうららを映して続けた。