――嫌なの。もうあんな思いは、嫌なの──
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光が目の前で眩む。
実際に眩んでいるのは、遥か遠い記憶だけ。
わかっている。
これは――
『うらら、おいで』
『…パパ…?』
『紹介しよう、ほら、隠れてないで出ておいで』
パパとママが、やさしく笑ってる。
これはいつの記憶だろう…だけどずっと前の記憶だということだけは、漠然と分かった。
パパとママが居るから。
やさしくわたしを、呼んでいるから。
わたしの低い視線は呼ばれるままにパパへと近づく。
そしてパパの大きな背中から小さな影がおずおずと顔を出し、その瞳が怯えるようにわたしを見上げていた。
綺麗な青い瞳いっぱいに、映っていたのはまだ幼いわたしだった。
『わぁ、おそろい…! パパこのコ、うららとおそろいの目なのね』
そうだこれは…わたしとソラが、はじめて出逢った日の記憶。
まだ輪郭すらぼやけて滲むその記憶に、ソラはちゃんと居た。
ちゃんとここに、居たんだ──
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