軽い朝食をとった後、レオ達は一晩過ごした小屋を後にし再び森の中へと歩みを進めた。
ソラの体調はまだ心配だったが、本人が大丈夫だと笑うのでひとまずは先に進むことになった。
道はまだなお、森の中へと続いているようだった。
「──おい」
呟いた声にダレひとり反応を示さないのは、それがダレを指す『おい』なのか、レオの言い方が悪かったか。
宛ての無い呼びかけの所為なのだろうけど。
わかっているから余計にレオは苛立ちを隠せず眉間にしわを寄せる。
──めんどくせぇな。
「───、うらら……っ」
正直初めて呼ぶわけではないのだけれど、レオにとって名前を呼ぶという行為には若干の抵抗があった。
特に相手が女である場合は、余計に躊躇してしまう。
レオが名前を呼ぶのは今までひとりしかいなかったから。
似ているなんて思ったせいか、レオの呼ぶ声に振り返るその様子を不思議な気持ちで見つめる自分がいた。
それを振り払うように視線を外して言葉を続けた。