「私は〝北の魔女〟。ここで始まりを、見届ける者」

「始まりを、見届ける…?」


「願いを持った者たちが絵本に触れ、ページをめくった。あの絵本は、〝願いを叶える絵本〟。そしてあなた達の予想通り、ここはあの絵本の中の世界です」


――願いを、叶える絵本…?


「あなた達はみな、強い願いを持っているはず」


北の魔女と名乗った女性は魔女というよりは女神のようで、まるで光を纏っているかのように美しかった。
その綺麗な瞳にうらら達を映し、まっすぐ言葉を紡ぐ。


「だからこそこの場所に、今、いるのですから」