「俺が通りかからなかったら笹川死んでたかもね?」

「その方がよかったけどな」

私はそっぽをむいた。

「…それ、虐待の傷でしょ?」

「ち、ちげーよ!!」

「ちがくないでしょ?頭から血ぃ出てたし、医者も、蹴られた傷だって言ってたからな」

「この事…親父らには?」

「言ってない」

私はとりあえずほっとした。

今、病室にいるなんて…ましてや、虐待の怪我なんて周りに知れたら…

きっと、こんな程度じゃ済まされないだろうな