そして、車を走らせて1時間ほどで家に着く。
家の近くになると、後部座席に取り付けてあるチャイルドシートから聞こえてくる笑い声。
今まで静かに乗っていた涼也が、家の近くになると『キャッ!キャッ!!…』と、笑う。
車の窓から見える風景で涼也は、自分の家に帰って来たんだと分かって喜んでいる。
『ママ~、涼ちゃんが笑ってるよ~』
チョッ君が嬉しそうに私に教えてくれる。
『そうじゃね~、きっと涼ちゃん、帰って来たのが分かっとるんじゃね』
………って、チョッ君に返す。
何度か、こう言う場面はあった。
こんな場面がある度に私は、やっぱり涼也はちゃんと、分かってたんだな………って、思って私も嬉しさで笑ってしまうよ。