こんなに綺麗な花火を見ても涼也は何とも思わないのかなぁ…。



少しだけでも笑ってくれると、とても嬉しいのに―――。


改めて涼也の感情が乏しい事に、私は寂しく思った。



プチ花火大会も1時間程で終了。



そして、明日の登校日に備えてチョッ君と涼也と3人で早々と風呂に入り寝る支度をして先にチョッ君と涼也を寝かさせた。



チョッ君の登校日は、アッと言う間に終わって、またチョッ君を私はおじいちゃん・おばあちゃんの所に送りに行った。


そしてビックリした事があった。


チョッ君を送って少し私も涼也も、ぺんちゃんの実家でゆっくりしてそろそろ帰ろうと立上がり、チョッ君とお義母さんに見送られながら玄関に行って私が靴を履いた時、急に涼也が全身をバタバタさせて泣いた。



どうして?…何で?


って、突然の事にビックリしていた私をよそに、チョッ君が涼也の手を取って言った。


『涼ちゃん。大丈夫よ。あと少ししたら、お盆じゃけぃ。お盆になったらママとパパとで来るじゃろ』


いつの間にか上手になっていたチョッ君の広島弁をちゃんと涼也は聞き取り理解をしたのか涼也はバタバタしていたのをやめて泣くのもやめた。