チョッ君がいない夏休みは、とても静かだ。
涼也は今日も無言のまま、仰向けの状態で左右に体を揺らしてコロコロをしている。
涼也はいるんだけど私1人みたいな感じ。
怒ることも、一緒に笑う事も無いから。
そして、8月5日にチョッ君を私は車で迎えに行った。
明日8月6日は登校日だからだ。
広島では原爆投下の日。
原爆の日が登校日。
これは私が小学生の時から変わってない登校日。
久し振りにチョッ君が戻って来て賑やかになる。
そしてこの日は近所のママから、近所の皆で花火をしようと声を掛けられていた。
夜になって、プチ花火大会の始まり。
チョッ君は喜んでとんで外に出る。
私は涼也を抱っこして外に出る。
花火は近所への配慮もあって全て手持ち花火。
チョッ君も近所の子供達も楽しく花火を楽しんでいる。
綺麗な色を発している花火。
涼也はやっぱり無表情。
近所の奥さんは自分の子供に説明していてくれてるのか近所の子供達は涼也の元へ花火を持って来てくれたりして涼也を気遣ってくれる。
だけど涼也は無表情なんだ。