女性職員は私の返事も待たずにチョッ君の手を引いて、私の所からも良く見えるチャイルドゾーンに歩いて行った。
私は申し訳ないので、サッサと教えてもらった通りに返還手続きの書類全部に目を通してそして書き込み欄に必要な書き込みをして全ての手続きは終了した。
私は、タコ踊りをいつの間にかやめている涼也と一緒に、早足でチョッ君の所に行った。
『あの、すみません。
どうも有り難うございました。
お陰で早く終わる事が出来ました。
あの、お仕事すみません。中断させてしまいまして…』
私は頭を下げながら言った。
女性は笑顔で
『大丈夫よ私は。
大変そうなお母さんを見たら、いつも私はこうだから。
…それより、あなた頑張りなさいよ。
お兄ちゃんの為にも。手帳のランクは何だったの?』
『マルA…です』
『そう。じゃあ本当に大変ね。
お母さんがダメになると家族もダメになるから母業は歯を食いしばってでも頑張るのよ。それじゃあね。
新しい県でもファイト!!』
そう強い言葉を私に掛けてくれて女性は持ち場に戻って行った。
声を掛けて貰えるだけで有り難かったなぁ。
強い励ましの言葉を掛けて貰える度に同時に勇気も貰ってる私。
全然知らない他かの他人なのに、人って良いなぁ…なんて生意気にも思ってしまった。