女性は素早い動きで、そしてとてもビックリした表情で私の方に振り向いた。


そしてその顔は涙の跡が残ってたのを覚えている。



『あの、すみません。急に………えっと、
どうかしましたか?
余計なお世話だと思いながらも少し気になってしまって……すみません』


私は、お辞儀をしながら女性に言った。


女性は小さな綺麗な声で


『いえ。何にも・・・・』


と、言った。


『そうですよねぇ。
すみません。余計な事を聞いてしまって。
どーも障害児を育てているとお節介な性格になってしまって』


私は、物凄く恥ずかしかったので照れ笑いをしながら女性に言い訳っぽく言った。



女性はそのまま私の前から立ち去るのかと思っていたら私に話し掛けてきた。


『あの、お宅のお子さんは?』


『今は、私の実家で母が見てくれていますよ』


『そうですか…良い…ですね…』


女性は声を震わせながら言った。



そして、私の目の前で女性の涙が・・・


ツー・・・・・ッ


って、頬に流れた。